揺れるTTP問題

TTPとは

TTPとは、環太平洋パートナーシップの略で、アメリカやオーストラリア、シンガポールなど、11ヶ国が関税を撤廃しようとする交渉の事です。
最近では韓国もTTP交渉に名乗りをあげ、話題となりました。
 
交渉対象となるものは、基本的には全ての品目です。
しかし、一部では例外品目を認めさせる交渉も行われており、我が国日本においては、とりわけ農業に大きな関心が寄せられています。
 
農業といっても全ての農作物を例外として認めさせようというものではありません。
聖域とまでいわれるコメ・麦・牛肉・豚肉・サトウキビなどの他、重要乳製品5品目です。
しかし、TTP交渉は高い水準での交渉を前提としており、遅れて参入した日本の主張はなかなか認めさせる事は難しいとの見方が一般的です。

TTPの問題点

TTP交渉が本格化し、一切の例外品目が認められなかった場合、どのような問題点があるのでしょうか?
現在指摘されているのは、農業と保険制度が大きくクローズアップされています。
保険制度については機会があれば詳しく書きたいと思いますが、今回は日本の農業について問題点をおさらいしてみたいと思います。
 
農作物の関税撤廃によって、日本の農業は壊滅する!?
TTPによって農作物の関税が撤廃されれば、日本の農家はたちまち壊滅するといわれています。
関税とは、輸入品に課せられる税の事です。
貿易によって海外から安い輸入品が国内に持ち込まれれば、日本の産業が立ち行かなくなってしまう恐れがあります。
関税は安く輸入された品目にそれぞれの税率をかけ、国内の生産物を守る重要な役割を担っているのです。
 
関税が撤廃されれば、消費者にとっては安く物を買う事ができるので、大きなプラスとなりますが、生産者側にとっては大打撃を受ける事になります。
 
一方、国内の生産者も、海外に市場を拡大する大きなチャンスともなるわけです。
関税が撤廃される事によって、大きな恩恵を享受できる業種も出てくる事もまた事実なのです。
 
これが果たして、全体としてはプラスに作用するのか、それともマイナスに作用するのか、有識者たちの間でも意見が分かれる難しい問題なのですが、政府はプラスに作用すると判断したからこそ、TTPへの参加を決断したのでしょう。
 
さて、話を農業の問題に戻しましょう。
日本の農業は土地も狭く、気候や土壌の質など、農業にはあまり向かないとされています。
外国の広大な土地を保有する農業にかなうわけがありません。
大量生産ができるので、当然コストも少なく生産ができるのです。
 
このような状況で関税が完全に撤廃されれば、日本の農業の未来は火を見るより明らかであることは、いうまでもありません。

TTPから日本の農業を守るには、2つの選択肢しか残されていない

TTPから日本の農業を守るには、もはや二者択一の選択肢しか残されていません。
一つは、交渉の場において、例外品目を何としてでも認めさせる事です。
認められれば今まで通り安い輸入品に関税がかけられますので、日本の農業は救われます。
しかし、交渉国がそう簡単に認めるとは思えません。
 
そこでもう一つの方法ですが、一度現在の日本の農業の仕組みを破壊する事です。
TOPページでも書きましたが、日本の農業は農協によって支配されています。
農家が生産した農作物は全て購入を保証し、販売ルートも農協が斡旋し、場合によっては農家への資金提供もしています。
 
このシステムが日本の農家の安定を生み、農家の方たちが安心して農作物を生産する事ができ、日本の農業の発展に大きく貢献した事は間違いないでしょう。
しかし一方、一部の専門家によれば、この農協のシステムこそ、日本の農業を堕落させ、ダメにした最大の要因であると指摘しています。
 
安心しきった環境、競争力のない世界、このような状況下で良い商品を生産する事が、果たしてできるでしょうか?
例えるなら、社会主義国家で一生懸命働くのはバカバカしいという発想と似ているように思えます。
社会主義国家・共産主義国家では、パンや米、麦などは配給で賄われます。
一生懸命働く人も、そうでない人も、平等の世界なのです。
このような社会で、生産能力の向上、経済の発展、個人個人の成長が見込めるわけがありません。
 
現在の農協支配の農業システムを打開し、競争力を持った農業界の構築が求められているのかもしれません。